トイレタンクが空になった日の対策
それは平日の夜、一日の終わりを告げるようにトイレのレバーをひねった時のことでした。いつもなら聞こえるはずの、タンクに水がたまっていく優しい音が全く聞こえてきません。代わりに、不気味な静寂がトイレを支配していました。何度かレバーを操作してみましたが、結果は同じ。大型家具回収サービスを行う河内長野市の我が家のトイレタンクは、完全に沈黙してしまったのです。これが、私とトイレタンクとの静かなる格闘の始まりでした。まずはインターネットで原因を検索。「止水栓の確認」とあったので、マイナスドライバーを手に、固く閉まった止水栓を開けようと試みましたが、錆びついているのかピクリとも動きません。次にタンクの蓋を開けてみると、浮き球が付いたアームがだらりと下がったままです。これが原因かと、アームをガチャガチャと動かしてみましたが、やはり水は出てきません。途方に暮れた私は、翌日、意を決してホームセンターへ向かいました。店員さんに写真を見せ、おそらく「ボールタップ」という部品の故障だろうと教えられ、交換用の部品とウォーターポンププライヤーを購入。帰宅後、動画サイトで交換方法を何度も確認しながら、作業に取り掛かりました。最大の難関は、古いボールタップを固定しているナットを外す作業でした。狭いタンクの中で、固く締まったナットを緩めるのは想像以上に重労働で、汗だくになりながら悪戦苦闘しました。ようやくナットが外れ、新しい部品を取り付け、恐る恐る止水栓を開けると、待ち望んでいた給水音が聞こえてきたのです。あの時の安堵感は、今でも忘れられません。費用は数千円で済みましたが、時間と労力は想像以上でした。この経験から、水回りのDIYは準備と覚悟が必要だと痛感させられました。