ある日、洗い物をしていると、台所のシンクに水が溜まっていくことに気づきました。「あれ?」と思い、蛇口を閉めても、水はなかなか流れていきません。それが、我が家の台所排水詰まりとの戦いの始まりでした。最初は小さな問題だと思っていたのですが、日を追うごとに水の引きが悪くなり、ついにはシンクが水浸しになってしまう事態に。料理好きの私にとって、台所が使えないのはまさに地獄でした。 まず試したのは、定番のラバーカップ(スッポン)です。インターネットで使い方を調べ、シンクに水を溜めては何度も何度もポンピングを繰り返しました。しかし、結果は空振り。わずかに水が動く気配はするものの、完全に詰まりが解消されることはありませんでした。次に、重曹と酢を使った方法に挑戦。重曹をたっぷり振りかけ、その上から酢を流し込むと、シュワシュワと泡立つ様子に期待しましたが、しばらく放置して洗い流しても状況は変わりませんでした。この頃には、焦りと共に絶望感が忍び寄ってきました。 「これはもう、自分でどうにかするしかない!」と決意し、今度はシンク下の排水トラップを分解することに。モンキーレンチを片手に、固く締まったナットを少しずつ緩めていきました。バケツを下に置いていたものの、外れた瞬間、溜まっていた汚水と油の塊がドバッと出てきて、思わず「うわっ!」と声が出ました。そのドロドロの塊は、想像をはるかに超えるもので、長年の油汚れと食べカスが一体化した「ヘドロの塊」と化していました。ゴム手袋をはめ、使い古しの歯ブラシでゴシゴシと洗い流し、パーツを綺麗にしました。 全てのパーツを元通りに組み立て、恐る恐る水を流してみると…感動!勢いよく水が排水溝に吸い込まれていくではありませんか。あの時の達成感は今でも忘れられません。この経験を通じて、排水溝の詰まりは放置するとどんどん悪化すること、そして、日頃の予防がいかに大切かを痛感しました。それ以来、私は油を流さない、食べカスは徹底除去する、定期的に重曹と酢で掃除するといった習慣を徹底しています。この戦いに勝利できたことで、台所を使うことが以前にも増して楽しくなりました。
台所排水詰まりとの戦い体験記