屋内と屋外、水道管工事の違い
水道管工事と一括りに言っても、その工事が建物の「屋内」で行われるか、「屋外」で行われるかによって、作業の内容、使用する機材、そして注意すべき点が大きく異なります。まず、「屋外工事」は、主に道路に埋設された配水本管から分岐し、敷地内の水道メーターまでを引き込む給水管や、建物から公共桝へと繋がる排水管が対象となります。この工事の最大の特徴は、「掘削作業」を伴うことです。アスファルトやコンクリートを重機で解体し、地面を掘り進めるため、作業は大規模になりがちです。地中にはガス管や電気・通信ケーブルなど他のライフラインも埋設されているため、それらを損傷させないよう、図面を元に細心の注意を払って掘削する必要があります。また、公道を掘る場合は、交通誘導員を配置して安全を確保し、作業時間を制限されるなど、周辺環境への配慮が強く求められます。使用される管材も、地中の圧力や車両の荷重に耐えられるよう、強度や耐久性が重視されます。一方、「屋内工事」は、水道メーターからキッチンや浴室、トイレといった各水回り設備へ繋がる給水・給湯管、そして各設備から屋外の排水管へ繋がる排水管が対象です。こちらは、主に壁の中や床下といった限られたスペースでの作業となります。大掛かりな掘削はありませんが、既存の壁や床を部分的に解体し、作業後にきれいに復旧させる技術が求められます。他の配線や構造材を傷つけない繊細な作業が中心となり、漏水が建物に与えるダメージが直接的であるため、接続部分の確実な施工がより一層重要視されます。