築三十年という時間の経過が刻まれた我が家の古いトイレを、憧れのフレンチヴィンテージスタイルにリフォームすることに決めました。それまでのトイレはプラスチックの質感が目立つ安価な設備に囲まれ、冬場は冷たく無機質な印象が拭えませんでしたが、今回のリフォームでは「温かみのあるおしゃれな空間」をテーマに掲げ、細部までこだわり抜きました。まず主役となる壁の下半分には、本物の木材を使ったモールディング加工を施し、くすんだグレージュのペイントで仕上げました。上半分には、フランスの古い植物図鑑を思わせるようなボタニカル柄の壁紙を貼り、空間に華やかさと奥行きを持たせています。床はテラコッタ風のタイルを敷き詰め、目地にはあえて少し濃いめの色を入れることで、長年使い込まれたような風合いを再現しました。便器自体は掃除のしやすさを考慮して最新のタンクレストイレを選びましたが、その周囲を彩るアクセサリー類には徹底的にヴィンテージの質感を取り入れました。トイレットペーパーホルダーとタオルハンガーは真鍮製のものを選び、経年変化による黒ずみさえも美しさの一部として楽しめるように工夫しています。鏡もデコラティブなゴールドのフレームのものを選び、手洗器の下には古材を使ったカウンターを設置しました。さらに照明は、天井にアンティーク調のブラケットライトを配置し、琥珀色のエジソン電球が放つ温かい光が空間全体を包み込むように設計しました。リフォームを終えて扉を開けた瞬間、そこには以前の面影は一切なく、まるでパリの路地裏にある小さなホテルのような、情緒あふれる世界が広がっていました。おしゃれなトイレリフォームを成功させる秘訣は、最新の機能性を確保しつつも、自分の「好き」を一切妥協せずに詰め込むことだと痛感しました。今ではこのトイレが家の中で一番落ち着ける場所となり、お気に入りのアロマキャンドルを焚きながら、短い時間でもリラックスしたひとときを過ごすのが日課となっています。空間を自分らしく彩ることで、日々の暮らしそのものが丁寧で豊かなものに変わっていくことを、この小さなトイレが教えてくれました。
パリの小さなアパルトマンを彷彿とさせるフレンチヴィンテージなトイレへの改装日記